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国立市教育委員会 様 導入事例

ロゴ

[国立市政施行]
1967年1月1日
[国立市人口]
74,169人(2008年7月現在)
[URL]
http://www.city.kunitachi. tokyo.jp/kyoiku/


学校指導課長 忰田 康之様(左)
庶務課 庶務・施設担当 石田 進様(右)

1952年に東京で初めて「文教地区」の指定を受けた国立市は、多くの教育施設を擁し、教育上好ましくないとされる業種の進出を規制されており、緑豊かで閑静な町並みを誇ります。
国立市教育委員会様は、文教都市「国立」にふさわしい学校教育の充実を図ることを目標とし、豊かな人間性や社会性を身につけた子供の育成のため、学校教育、社会教育の連携のもと、様々な取り組みをされています。また、社会教育を充実し、生涯を通じ、あらゆる場で学習できる生涯学習社会の実現を目指されています。

国立市教育委員会様では、教員へのPC配備が十分でなく、また、個人情報の流出事故等が絶えない社会背景を踏まえ、情報漏えい防止対策として、セキュリティUSBメモリの導入を決定されました。
その導入の背景、運用状況、感想を弊社営業担当者が、学校指導課長 忰田 康之様、庶務課 石田 進様にお聞きしました。

教員の勤務実態に即した情報漏えい防止対策を

──セキュリティUSBメモリ導入の背景をお聞かせください。

文部科学省では政府の「e-Japan戦略」に基づき、情報社会の進展に伴ったIT環境の整備や情報モラル教育を重要ととらえ様々な対策をたててきました。その中には、教育の現場における校務の情報化の促進を目的とした“すべての公立学校教員へのコンピュータ配備の促進”戦略がありますが、残念ながら現段階では国立市だけでなく全国的に“教員一人一台のPC配備”は実現化されていない状況があります。

そうした学校環境のなかで、教員は、児童・生徒の成績表や住所録などの個人情報を取り扱わなくてはならないという責任を背負いながら日々校務を行っております。

国立市教育委員会では、個人情報の流出事故等が絶えない社会背景のなか、このようなPCなどのハード面での環境整備の課題を補う情報漏えい防止対策として、公立小中学校の全11校へのセキュリティUSBメモリの導入を決定しました。

──校外への情報の持ち出しに関しては、どのように対応されていますか。

情報漏えいのリスクマネジメントとしては、情報を持ち出さずに“勤務時間内に校内”で校務を終えて欲しいというのが理想です。情報漏えい事故の多くは情報を持ち出した際に起っているからです。しかし、現実的には、教員は校内での勤務時間のほとんどを児童・生徒への対応に費やしており、校務を“勤務時間外に校外”でせざるを得ない状態です。この問題を解決するためには、教員の業務形態の改善が課題の一つでもありますが、それには時間がかかるため、現実に即した情報セキュリティ対策をとることが必要であると思っています。

自治体によっては、個人情報の校外への持ち出しを一切禁止する一方で、労働基準法に準拠した勤務時間を求めるケースがあるようです。しかし、例えば小学校の場合、授業時間が終わってから教員が校務に割ける時間は1時間もなく、その時間内に全ての校務を行うことは不可能です。

情報セキュリティ強化のためには、ある程度の投資をして、教員が安心して校務を行える環境作りをしなくては、個人情報は護れません。

──東京都教育委員会様では、教員の勤務実態に即した「都立学校情報セキュリティ対策基準」を2007年12月に改定され、「個人情報の安全管理に関するモデル基準」を策定されたようですね。

そうですね。持ち出し厳禁なもの、校長の承認が得られれば暗号化機能を持つPCや記憶媒体での持ち出しを認めるものなど、個人情報の機密性にランクをつけ管理するという内容だったかと思います。*

*都立学校における情報セキュリティ対策
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr071225.htm#bessi1

国立市大学通りの美しい桜並木

ただ情報の持ち出しを禁止するのではなく、教員の勤務実態にあった対策をしなければ、情報漏えいは防げないということだと思います。

このような観点から国立市教育委員会においては、“個人情報は持ち出さない”を基本ルールとしながら、教員が校外へ情報を持ち出さざるを得ない状況でも、安心して作業が行える環境作りのために、当市の望む機能を持つセキュリティUSBメモリを探しておりました。


自宅でも安心して作業できる高セキュリティ機能で情報漏洩対策

──情報漏えい防止対策のための製品選定にあたり「Sdshelter」を選ばれた理由は何でしょうか。

他社製品と比較し、「Sdshelter」に決めたポイントの1点目は、パスワード入力に失敗した際、初期化やパスワードロック解除をその都度メーカーに渡さなくてもよかったということです。

2点目としては、他社製品の場合、拡張子が変わる暗号化機能となっており、そのため暗号化や復号化に時間がかかってしまうという課題がありました。「Sdshelter」ではそれらが解決できたということです。

また、校内で使用する場合、専用ドライバがインストールされたPCでなければ、データの保存やコピーができないという機能に加えて、自宅などの校外環境で使用する場合、「Sdshelter」の中だけで作業をし、パソコンにデータを一切保存させないという高いセキュリティ機能があることが導入の大きな決め手となりました。

──自宅PCにWinny等がインストールされていたため、PCに保存した個人情報が漏えいしてしまったという事件をよく耳にします。「Sdshelter」で情報漏えい防止対策をとれば、USBメモリの外へ一切データを保存できないため、Winny等が入っているPCで作業しても漏えいの心配がありません。

そうですね。校外においては、USBメモリの外にデータを出させない、特に、使用中はインターネットを遮断し、USBメモリ内の情報の印刷もできない「Sdshelter」は大変セキュリティ機能の高い製品だと認識しております。

──国立市教育委員会様用にカスタマイズをさせていただいたとお聞きしましたが、どのような仕様だったのでしょうか。

「Sdshelter」では使うソフトをあらかじめ設定するというのが基本のコンセプトになっていますが、事前の設定で使用できるソフトを限定せず、教員が使用している全てのソフトを使えるようにカスタマイズ設定をしていただきました。

教員は使用目的によって、それぞれが成績処理ソフトや画像処理ソフトなど、多岐にわたるソフトを使用しており、そのために「Sdshelter」の基本機能のままでは、それらのソフトを使用できない教員がでてくるということが予測されました。そのため、その他のUSBメモリを使ってしまい、結果として漏えい事件が起きてしまっては、セキュリティUSBメモリを情報漏えい防止のために導入した意味がありませんので、全ての教員が使えるためのカスタマイズ設定は必須条件でした。

──「Sdshelter」導入後の運用についてお聞かせください。

成績表などの個人情報を扱う時には、必ず「Sdshelter」を使うようにと指導しています。成績表以外にも、教員は、教育指導関連の事例、水泳指導の記録など保健体育関連のデータ、児童・生徒との個人面談の記録等、個人情報を多く扱っています。また、児童・生徒がかいた作品なども一覧にして教材化し、授業で使う場合、教師にとっては教材ですが、作成した児童・生徒から見れば個人情報となることもあります。このように成績表だけにとどまらず、学校で扱う情報のほとんどは個人情報と言っていいでしょう。

これらの個人情報に関する作業は「Sdshelter」で安全に行い、作業が完了したものは校内の一括管理用のマスターサーバ等にデータを保管し、USBメモリ内にいつまでも個人情報を残さないよう指導しています。これも、大切な情報リスクマネジメントであると思っています。

また、セキュリティUSBメモリを導入し、運用に関して徹底した指導をしていくことで、教員には自分たちが扱っているデータは個人情報であり、取り扱いに注意しなくてはいけないという意識を持ってもらいたいとも思っています。

──最後に、当社製品もしくはセキュリティ製品全般へのご要望がございましたらお聞かせください。

私たち教育委員会は、学校で何か起きたときには、スピーディーで適切な対応ができるよう常々心掛けております。御社では、ユーザ目線にたった製品の開発製造を心掛けておられるとのことでしたが、今回の導入ではこちらが要望したカスタマイズ設定に柔軟に対応していただいたことに対して高い評価をしております。今後もユーザの声、要望に対して真摯に耳を傾けるメーカーとしての姿勢を保つことを希望しています。